活動内容公開準備中2025年9月開始

認知添加物図鑑

情報環境の公衆衛生シリーズ 第1巻

スマホの画面で、あなたは何を摂らされているのか。

概要

食品に添加物があるように、デジタルコンテンツにも「つい見てしまう」ための成分が配合されています。際どいサムネイル、正義の怒りを誘うまとめ、結論を最後まで引き延ばす動画。私たちはそれらを、脳の側の反応ではなく、コンテンツの側に含まれる成分として捉え直し、「認知添加物」と名づけて分類しました。

この図鑑は、規制や禁止を求めるものではありません。食品のラベルを見る習慣が食生活を変えたように、情報にも「成分表示を見る目」を持てるようになること。そのための、観察と分類の記録です。

手に取りやすく、刺激が強く、満腹感だけはある。情報は、いまや「超加工食品」に近い。

成果物

電子書籍

『認知添加物図鑑』

A5判・全17成分。本能・感情・認知歪曲の3分類ごとに、定義、過剰摂取時の影響、含有例を挿絵つきで収録。

読む 公開リンク・2026年10月公開予定

学会発表

芸術工学会 2026年度秋期大会

2026年10月24日・大阪
「認知添加物:デジタルコンテンツに含まれる「つい見てしまう」要素を分類・可視化するサイエンスコミュニケーションの試み」

プレスリリース

九州大学芸術工学部との連名

学会発表と図鑑の公開にあわせて配信。

プレスリリース (PDF) PDF差し替え

掲載17成分

名称は食品添加物のもじり。詳しい定義と含有例は電子書籍に収録しています。

本能ハック型 / 5成分
肌色一号性的なほのめかしを「ちょっとした刺激」として日常のコンテンツに混ぜ、注意を引く
べっぴん酸魅力的な外見を前面に置き、その好印象を内容の評価にまで転移させる
グロコサミン嫌悪感と「何が起きたのか確かめたい」好奇心を同時に誘う
エキサイ糖安全な場所にいながら、危険の疑似体験で覚醒と興奮を引き起こす
プチャ偏酸リズムと掛け声への同調で、判断より「ノリ」を優先させる
感情ハック型 / 7成分
ダンザイム怒りを「正義」で正当化し、悪と断じた相手を徹底的に裁かせる
増念罵倒類罵倒したい衝動をじわじわ増粘させ、些細な刺激でも叩きたくさせる
ケンカロイド他人同士の対立を観戦エンタメに変え、興奮だけを摂取させる
クチダシ色素あえて隙やツッコミどころを配合し、口出しせずにいられなくさせる
フリン酸ネトリウム証拠のない「裏があるのでは」という疑念だけを静かに注入する
他災甘味料他人の失敗や不幸を、甘い快感として摂取させる
O-NMDAお涙頂戴の感動刺激を、感情の記憶に強く結びつける
認知歪曲型 / 5成分
ユメミガチン成功を、確率や過程を省いた理想形だけで見せ、努力量の感覚を歪める
カンタン化糖「誰でも」「すぐ」「これだけで」に単純化し、必要な努力と失敗を見えなくする
ヤミノソシキン「世界の裏には闇の組織がいる」物語を、信じる手前で娯楽として消費させる
カサマシンわずかな中身を前置きと繰り返しで膨らませ、情報量があるように見せる
ジラシウム結論を後回しにし、「まだ大事な話が続く」感覚で滞在を引き延ばす

進捗ログ

  1. 理事会で「情報栄養成分表示」の構想が立ち上がる。情報の摂り方を“食事”になぞらえるところから始めた
  2. 脳内物質で分類すると比喩が成り立たないことに気づき、「コンテンツ側に配合される成分」として認知添加物を定義し直す
  3. 分類を再検討し、60を超える候補から成分名を選定。研究者を迎えて分類の枠組みを見直す
  4. 芸術工学会に発表を申請。掲載成分を「あるある」と納得できるものに厳選し、電子書籍の初稿をつくる
  5. 掲載17成分が確定。挿絵17点が揃う
  6. 学会発表、プレスリリース、電子書籍の公開 (予定)